最新情報

INFORMATION

長谷山博之のシネコンサートが待ち遠しい! 《 交響曲第1番ハ長調 作品21 》
2021.01.12
さて開幕である。
最初のプログラムは交響曲第1番。ベートーヴェンが29歳のおそらく1799年の作曲。ベートーヴェンの敬愛するナポレオンがブイブイしていた時期である。余談ではあるがベートーヴェンの父親はモーツァルトの父が息子のマネジメントをして収入を得ていた事を真似て息子を天才ピアニスト・ベートーヴェンとして稼がせるため過大なスパルタ教育を施したらしい。母が他界し、祖父も亡くなると酒浸りで収入の途絶えがちな父と兄弟の面倒を見ることになる。1792年にハイドンの弟子入りを認められ父が亡くなるととんでもない二人の愚弟を抱えながらも生活が一新する。
ピアノ・ソナタも、ヴァイオリン・ソナタも、室内楽も世に送り出してピアニストのベートーヴェンから作曲家としてのスタートし始めるころの作品である。交響曲第1番と言う位であるから最初の交響曲である。尊敬し、影響を受けたハイドンやモーツアルトの影響がプンプンする。若さ故の気負いからか部分的にきっちりしすぎる所もあり、それまでに無いくらい管楽器が鳴り響くが故に〝軍楽隊の音楽〟と言った輩も居たが、私には寧ろ新鮮ですがすがしいとさえ覚えてしまう。
バーンスタインは完全に暗譜で指揮を執っている。曲はすがしい迄のあっさり感で始まりすぐに躍動感を見せる。若き作曲家の作品を育て上げるように作品と対話しているかのようである。「こんな風に振ったらこんな響きになるぜよ…どうよ?」と若きベートーヴェンと対話しているかのようである。第3楽章は三拍子の舞曲、バーンスタインは踊りオーケストラを躍らせるように終楽章に突き進んでいく。高く上げた右手が終楽章であることを示すかのようである。敬愛するハイドンの影響が色濃いながらも独特の雰囲気を振りまきながら曲は終える。ちなみに初演の指揮はベートーヴェン自ら指揮をした。…評判はあまり芳しくなかったようである。「僕が振ったらいい評判だったかもね」と天国でバーンスタインはベートーヴェンと会話しているかもしれん。

長谷山博之 ☞
公益財団法人仙台フィルハーモニー管弦楽団事務局勤務。
「仙台発 大人の情報誌 りらく」連載「音楽(ねらく)物語」(現在休載中)で健筆を振るうなどクラシック音楽の伝道師としても活動。
美酒と美食と音楽そしてこの世のすべてのものを愛する、まるでバーンスタインみたいな博愛主義者。(笑)